軽快な音楽と軋む車輪の音を響かせて、

そのサーカスは黄昏と共に現れる。

荷馬車から運び出されるのは鮮やかな天幕、絢爛豪華な衣装に磨き上げられた楽器、唸り声を上げる檻。

 

月が昇れば開演の合図。

白い貌の座長が芝居がかった仕草で帽子を持ち上げる。

 

団員達がこの世の者ではないことに、観客は気付かない。

 

怪奇天幕グラン=ギニョール、只今開演―

 

***
 

昔、あるサーカスのテントが火災で焼け落ちた。

否、正確には焼け落ちた「らしい」。

深夜に火災を目撃した娘によれば、サーカスがテントを張っていた町外れの広場の方角から、青白い火柱が上がるのを見たという。

勿論そんな話、街の人々は誰も信用しなかった。

翌朝、町外れの広場で焼け跡が発見されるまでは。

 

団員の行方は不明。無論生死も不明。

天幕の燃え滓と黒く煤けた跡を地面に残し、サーカスの一座はテントごと忽然と姿を消した。

 

数年後、あるサーカス一座の噂が立った。

 

夕闇を引き連れて、黒い荷馬車でやって来る小さなサーカス。

公演は決まって月の出る夜。

何処からともなく現れて、朝日が昇る前に去ってゆく。

その座長の白すぎる貌は、焼失したサーカスを率いていた男によく似ていたという。

 

そして、そのサーカスにまつわるもう一つの噂。

 

「そのサーカスを見に行った者は、帰ってこない。」


***

暗黒奇譚と同じ世界の、とあるサーカス一座のお話。



　ギー・グラン=ギニョール(Guy Grand=Guignol)

　■座長
　■性別：♂
　■年齢：24歳
　■一人称：僕、私
　■二人称：君、貴方、貴女





グラン=ギニョールの若き座長。
ナルシストで、いつも芝居がかった調子で喋る。毎日化粧を欠かさない。
歌姫のバルバラに付き纏われているがいつも適当にあしらっている。

「座長と呼びたまえと、いつも言っているだろう」

******

アンリ・グラン=ギニョール(Henri Grand=Guignol)

　■腹話術師
　■性別：♂
　■年齢：14歳
　■一人称：ボク/オレ様
　■二人称：君/オマエ、テメェ

ギーの弟。
ウサギのぬいぐるみのドーリィを使って腹話術をする。
ドーリィの口調はとんでもなく悪い。

「オレ様はドーリィ！ベリベリキュートなウサギさんだぜ！」

(画像準備中(´・ω・｀))

******

　イゾルダ(Izolda)

　■調教師
　■性別：♀
　■年齢：18歳
　■一人称：私
　■二人称：あなた






気弱でどんくさい調教師。
黙っていればクールな雰囲気の女性だが持ち前のドジっ娘属性で全てをぶち壊している。

「あ、えっと、あの……ごめんなさい」

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　バルバラ(Barbara)

　■歌姫
　■性別：♀
　■年齢：16歳
　■一人称：あたし
　■二人称：あなた、名前呼び捨て






ギーのことが大好きなヤンデレ少女。
思い込みが激しく夢見がち。瞳孔開きっぱなしでちょっと怖い。

「ねぇギー、あたしのこと好き？愛してる？愛してるよね？だってあたしはギーのこと愛してるもの！」

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ルキーノ(Luchino)

　■ジャグラー
　■性別：♂
　■年齢：30歳
　■一人称：-
　■二人称：-

バルバラの兄。年が離れているためか妹が可愛くて仕方ない立派なシスコン。
妹の恋路をほっこりと見守っている。
妹が半ばストーカーと化している点については特に気にしていないダメな兄。

(画像準備中(´・ω・｀))

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　ヴィクトール(Victor)

　■奇術師
　■性別：♂
　■年齢：24歳
　■一人称：俺
　■二人称：お前、貴様





人相の悪い奇術師。
ロリコン子供好きだが、顔が怖いので子供が寄りつかないことに悩んでいる。
ギーと同い年なのに年上に見られるちょっと老け顔。というかやつれ顔。
唯一懐いてくれているドロテアのことをとても可愛がっている。

「……ム」

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　ドロテア(Dorothea)

　■踊り子
　■性別：♀
　■年齢：13歳
　■一人称：テーア
　■二人称：あなた






怪奇天幕最年少。
団員の皆に懐いているが特にヴィクトールが大好き。
可愛いもの、綺麗なものが好きでよくふらふらと迷子になる。

「テーアねぇ、おおきくなったらヴィクトールのおよめさんになるの！」